国風歌舞(くにぶりのうたまい)は他の雅楽曲と違い、外来音楽の影響をうける以前から日本にあった古来の歌舞(うたまい)です。「古事記」や「日本書紀」などの神話に基づくものが多く、神道や皇室に深く関わる歌や舞で構成されているのが特徴です。雅楽の中でも目にすることが少なく、なかには天皇の即位式でしか演奏されないといった特殊なものまであります。
東遊(あづまあそび) | 誄歌(るいか) |
久米歌(くめうた)
東 遊(あづまあそび)
「駿河国風土記」の中にある、天女が舞い降りて水浴をするという羽衣伝説から作られた歌舞であると伝えられており、「阿波礼(あわれ)」・「一歌(いちうた)」・「二歌(にうた)」・「駿河歌(するがうた)一段」・「駿河歌二段」・「求子歌(もとめごうた)」・「大比礼歌(おおびれうた)」から構成されています。また演奏の際は「狛調子(こまぢょうし)」・「音出(こわだし)」などの篳篥と高麗笛の二重奏が入り、「駿河歌」には「駿河舞」・「求子歌」には「求子舞」が付けられます。
大和歌(やまとうた)
かつて「大直日歌」は節会(せちえ)の前夜に歌われる歌曲であったと言われていますが、現在では「大和歌」とともに舞われる「大和舞」の前奏曲として使用されています。
大 歌(おおうた)
舞姫は十二単(じゅうにひとえ)に髪をおすべらかしにして、手に檜扇(ひおうぎ)持って舞います。この「五節舞」は天皇の即位の大礼の饗宴でのみ演じられる特別な舞です。